>>524
>韓国は、韓国本土から東向きには打ち上げられないから、航空機から打ち上げられたら大きいよ

無人宇宙実験システム研究開発機構の定義する「マイクロ衛星」ってのは、重量が200キロ以下を指す。
海外だと小型衛星(スモールサテライト)が200キロ、マイクロサテライトが100キロ以下とか50キロ以下とか30キロ以下とか。公的な定義がないので、商売やりたいやつが好きに言ってる部分があるが、逆に言えば、200キロを軌道投入できないと「小型衛星を打ち上げられます」という宣伝文句が使えないし、それはマイクロ衛星でも同じ。
もちろん流行りの超小型衛星は、10キロ以下のナノサテライトとか1キロ以下のピコサテライトとか100グラム以下のフェムトサテライトとかもあるが、一辺10センチのキューブサテライト以下だと地上から追跡できないので米軍がフェムトサテライトに文句をつけているらしいが。

で、マイクロ衛星なら行けるだろというのも、マイクロ衛星の需要を見る必要がある。
インドが2017年にPSLV-XLで1回の発射で104個の衛星を軌道投入したことがあった。これはメインの荷物である700キロの地球観測衛星をSSOに送る「ついで」にペイロードの空きを664キロ分のキューブサットで埋めたが、うち88個は地球観測を事業としてやってるアメリカのプラネットラボ社のもの。
商売で小型衛星を扱っている会社だと、ロケットラボが12.5トンで225キロ、いまのとこNASAと国防総省のデモ用衛星の実績しか無い最後発のアストラがLEOで500キロと言っている。空中発射ではノースロップグラマンのペガサスがトライスターを母機に23トンでLEOに443キロ、ヴァージンオービットのランチャーワンが747を母機に30トンでLEOに500キロのペイロードとなる。

現状では地上発射だろうが空中発射だろうが数百キロサイズの衛星の柔軟かつ安価な打ち上げに需要はあっても、キューブサット程度だと相乗りでまとめて軌道投入するケースに価格で勝てない。F-15がぶら下げた1.2トンのASATのMHVは14キロだし、軌道速度も出ていないのだから、空中発射に打ち上げ能力でも経済性でも意味を持たせたいなら、必要なのは500キロのペーロードを持つ20トン以上の空中発射可能なロケットと、それを成層圏まで運べる発射母機であって、まあ、戦闘機は、お呼びじゃない、と。