外洋で損傷しても退避できる植民地の港がある米英仏と、イギリスを
海上封鎖したかったら大西洋まで出なきゃいけないのに入渠できる港が
本国にしかなく、しかもそこまで戻るにはイギリスの目と鼻の先を
通らなきゃいけないドイツとでは、求められる抗堪性に雲泥の差がある。
他の新戦艦みたいに非装甲区画の広さに目をつぶっても集中防御で
バイタルをカッチカチにするなんて芸当は採用できず、どこに被弾しても
損害が一定の程度を超えないように装甲範囲を広くする必要があった。
当然、この方針は装甲重量を食う。そのくせ速力(=機関重量)にも
妥協できないとなったら、一番割りを食うのは武装。さらに喫水まで
浅くしたいとなると全長、全幅ともに大きめにするしかなかったでござるの巻。