① ハルキウ市北部でのウクライナの反攻は、ロシア部隊に防衛態勢に移行することを強い、ハルキウに対する砲撃の圧力を緩和することに成功した。

② セベロドネツク~ルビジュネ~リシチャンシク地域にて、ロシア軍はウクライナの諸拠点を包囲しようとし続けたが、確実な前進はできなかった。

③ ロシア軍はスロビャンスクへと北へ向かう高速道路の交通を確保するために、ポパスナ占領後、Bakhmutへの新たな前進を始めつつある可能性がある。

④ ロシア軍は、ムィコラーイウ州内に進出する目的で、ヘルソン州西部での態勢を固めようとしている。

⑤ テレグラムでの複数の親露派情報によると、ウクライナ軍はイジューム北40kmの地点で、この重要都市にいるロシア部隊を切り離す目的で、反撃を行っている可能性がある。しかし、この評価報告の時点で、ISWにおいてこれらの情報の確証は得られていない。

▼ハルキウ南方・ドンバス
⚪︎イジューム周辺のロシア軍は防御態勢へ移行(ウクライナ川情報)。

⚪︎ウクライナ軍はイジューム北西40kmのChepil付近でドネツ川渡河を試みている(ロシア・メディア情報、ISW未確認)。

⚪︎ロシア側の情報もあわせて判断すると、ウクライナ軍が国境まで10kmの地点に達しているのは確実である。

⚪︎5月8日まで活動していたロシア第1親衛戦車軍所属部隊に関するウクライナ側の報告がなくなった。戦闘での消耗が激しく、第1親衛戦車軍はベルゴロドへ撤退した可能性がある。