毎日新聞

空自のF2戦闘機、後継機は日英共同開発で調整 米側関与は限定
https://news.yahoo.co.jp/articles/49b51e843a0ad7de216c5fe3372b5a484fff2068

政府は航空自衛隊F2戦闘機の後継機について、日英で共同開発する調整に入った。日本側はこれまで機体設計などで米ロッキード・マーチンの支援を受ける方針だったが、米側の関与は一部に限定する考え。年末までに英政府と正式合意することを目指す。
 政府はこれまで、F2後継機の開発について日本が主導しつつ、英米両国の協力も得る計画を立てており、三菱重工業が開発主体に選ばれている。日英共同開発とする場合は英BAEシステムズが開発主体に加わる見通しだ。
 政府が機体開発で支援を期待していた米ロッキード・マーチンは最新鋭ステルス戦闘機F35の開発実績がある半面、技術情報が十分日本側に開示されない可能性があり、将来の改修作業などで支障が出ることが懸念されていた。
 一方、エンジン開発では日本企業のIHIと英ロールスロイスが共同研究に着手するなど日英連携が進展。日本側としては、次世代戦闘機「テンペスト」の開発を計画している英国との協力を拡大し、改修などの自由度の確保を図りたい考えだ。
 岸田文雄首相は5日、ジョンソン英首相との会談で、F2後継機に関する協力の全体像を年末までに合意することで一致。岸信夫防衛相も17日の記者会見で「英国とさまざまな協力の可能性を追求する」と述べた。日本政府関係者によると、岸氏は4日のオースティン米国防長官との会談で日本側の考えを説明しており、米側から理解を得られているという。
 政府はF2後継機について、2035年の配備開始を目指している。無人機と連携する機能や高いステルス性などを確保する計画で、開発費は1兆円を超えると見込まれている。