戦争研究所(ISW) ロシア攻勢戦役評価1800 ET 16.05.2022 / 0700 JST 17.05.2022
https://twitter.com/GdPanzergraf/status/1526403421527343104
要点
① 5月16日、ロシア・ウクライナ当局は、アゾフスタリ製鉄所からのウクライナ負傷兵264名脱出に関して、合意に向けた交渉を行った。

② ウクライナ軍はハルキウ市北方でロシアとの国境に達した。

③ 5月16日、ロシア軍はドネツク・ルハンシク両州において成果の上がらない地上攻撃を継続したが、確実な前進にはまったく至らなかった。

④ ザポリージャ州では、ロシア軍は自軍拠点の強化に努め続けた。

16日の注目点から
ロシア軍占領地域で、ロシア占領当局と現地協力者の間の反目が、目立つようになってきた。
ロシア側に全般的な占領政策が欠けていることが原因と考えられる。また、ロシア軍の敗戦がさらに拍車をかけている。

ロシア軍事ブロガーの作戦批判の内容が、西側専門家の分析内容に近づいている。ブロガーの一人、Igor Strelkovはコメントで、
・ドンバスが夏までに解放される見込みは小さい
・ウクライナはドネツク市周辺の戦線を保持できる
・ ロシア軍の意図はウクライナに筒抜けで、そこでウクライナは万全の態勢で待ち受けており、
そのような場所でロシアは消耗に向かって戦っている等のことを述べている。

ドンバス
・14~16日にかけて、ロシア軍はイジューム南方を攻撃するが、著しい損害を被り失敗した。
現在、露第20軍は再編成中。一方、ウクライナ側はイジューム方面で攻撃を開始し、16日はロシア兵站施設を破壊、ロシア軍の攻勢計画を妨げている。

セベロドネツク突出部
・ロシア軍、Bilohorivka方向での地歩確保に集中。
・ルビジュネ~セベロドネツク~リシチャンシク線では、直接攻撃よりも砲撃戦をロシアは重視。
・セベロドネツク南方でロシアは西進(Bakhmut方向)を企図。セベロドネツクとスロビャンシク・クラマトルスクを結ぶ
高速道路の確保、もしくは、Bakhmut占領でセベロドネツクとその西側をつなぐ高速道路を遮断する目的だと推測される。
・ドネツク人民共和国で戦争への不満が高まる。ドネツク市では動員された兵士の家族が15日、抗議活動を行った。
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