ISW論評
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-may-24

戦況図(丸印が戦闘地域)
全域
https://www.understandingwar.org/sites/default/files/DraftUkraineCoTMay24%2C2022.png
ドンバス
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ルハンスク
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ハリコフ
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ヘルソン
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重要点
・ロシア軍はウクライナ東部の大規模な陣形を包囲する努力を放棄し、
その代わりに小規模な包囲を確保し、セベロドネツクに集中しようとしているようである。

・このロシア側のアプローチの変更により、徐々に前進することが可能になったが、その代償として、
予定していたいくつかの進撃ラインを放棄し、クレムリンが意図したウクライナ東部の
ウクライナ軍を深く包囲することを断念することになった。

・ウクライナ軍は、バフムト近くのポパスナ南西で、バフムト南東でのロシアの攻勢から
ウクライナの補給線を守るため、統制のとれた撤退を行っていると思われる。

・マリウポルのロシア占領当局は、マリウポルの司法支配を強化し、ウクライナ人の犯罪に関する
クレムリンの誤ったシナリオを支持するために、マリウポルのウクライナ人兵士に対する戦争犯罪裁判を開催すると発表した。

・ロシア軍は、ハリコフ州北部のテルノバを奪還し、ウクライナの反攻に対してロシア国境付近の防衛拠点を安定化させようとしている。

・ロシア軍は南軸を強化するため、クリミア北西部に予備軍を編成し、S-400ミサイル・システムを配備している。

・DNRの軍人数名が、DNRの指導者Denis Pushilinに向けたビデオアピールを公開し、適切な支援なしに戦闘行為を
強いられたと述べており、ロシア軍と代理軍の間で士気が低下していることがうかがえる。

当面の注目点

・ロシア軍は、ウクライナ軍のロシア国境への反攻を阻止するため、ハリコフ市北部の
部隊を強化する可能性が高い。ロシア軍は近い将来、第1戦車軍の一部をハリコフ北部に投入する可能性がある。

・ロシア軍は、セベロドネツクとリシチャンスクを少なくとも南側から包囲する努力を続け、
おそらくセベロドネツク-リシチャンスクとウクライナの他の地域を結ぶ最後の高速道路を遮断することに重点を置くだろう。

・マリウポルのロシア軍は、アゾフスタルの包囲が終了したため、同市の占拠に重点を移すと思われる。

・ロシア軍はウクライナの反撃に備え、ウクライナ南部での長期的な作戦に落ち着くものと思われる。