バンドリ一期まとめ

戸山香澄は子供の頃、満天の空の輝きを見て「星の鼓動」を感じた。恐らくは共感覚というやつだ。
それ以来、彼女は同じように胸を突き動かす何かを求めてずっと過ごしてきたが、
あの時に見た星の鼓動と同じ感動を再び感じることはなかった。
小学生中学生と日々を送るにつれ体は成長していったが、心はまるであの日に置き去りにされたよう。
やがて高校に入学した直後、彼女は「星の鼓動」と再会する。音楽。そしてバンド。それは輝く星空めいて彼女の心を虜とした。
周囲も呆れるようなエネルギーで音楽へとのめり込む香澄には、かつて音楽に触れていた者、これから旅立ちを迎えようとする者ら、三者三様の仲間が加わった。
そして四人は、家族のために音楽という夢を諦めようとしていた者と、本当の意味で仲間となった。ポピパの誕生である。
周りを振り回してばかりの香澄ではあったが、彼女は確かにバンドの要であった。

しかし、ライブハウスSPACEのオーナーであるババアは厳しかった。今のオヌシらはバンドではない。オヌシらがバンドとなるまでは、このハコで演者となることはまかりならぬ。
そう沙汰を言い渡すと、クールに去っていった。YouはShock。哀で空が墜ちてくる。
私の音楽は独りよがりのオナニーに過ぎぬのでは? そのように思うと股の割れ目も渇き果て、全くJuicy Partyではなかった。
苦しい自問自答、峻烈な自己批判と総括を繰り返し、香澄はやがて遂に俺的流派を見出す。パピパパピポパー。
これにはババアも思わずニッコリ。股間も濡れ濡れ大洪水だ。

そうしてFINALギグの夜を迎えた香澄たちは、確かに星の鼓動を感じたのだった。

一期おわり