ロシア当局は、ルハンスク州におけるウクライナのパルチザンの圧力を予期しているのだろう。
ロシアのテレグラム・チャンネルは、ロシア内務省がルハンスク人民共和国(LNR)に職員の特別分遣隊を「休暇」として
派遣していることを報告した[4]が、これは内部と党派の不満が高まる中、LNRにおけるロシアの行政プレゼンスを強化しようとしているものと考えられる。
[5] ウクライナ参謀本部はさらに、ロシア軍が大隊戦術グループ(BTG)を、ルハンスク州の行政境界から30キロメートル以内の
P07高速道路沿いにある東ハリコフ州のロシア支配下の都市、クピャンスクに移動したと述べた。
6] クピャンスクは前線から遠く、差し迫ったウクライナ通常攻撃の危険はないようであった。
内務省職員とBTGの報告された配置を総合すると、ロシア軍はルハンスク州を支配しようとする彼らの試みに対して、
パルチザンの抵抗を予期していることを示唆している。

ロシア軍は、占領を試みている地域の経済的生存能力を損ない続けている。
ロシア軍は、5月31日にセベロドネツクの「アゾット」肥料生産工場を攻撃し、毒性の硝酸の煙を撒き散らしたと報告されている[7]。
生産工場はセベロドネツクとルハンスク地域にとって経済的に重要な資源で、ロシア軍が工場の生産能力を維持し
支配することは賢明であったと思われる。ロシア軍は同様にマリウポルのアゾフスタル製鉄所を破壊したが、
これはウクライナにとってかなりの産業的意義があり、破壊しなければロシア占領軍によって経済的に利用されたかもしれなかった。
セベロドネツクのアゾット工場は、全体としてアゾット工場より生産性は低かったが、その破壊は、
ロシア軍が占領地の経済・産業能力を効果的にコントロールすることに失敗した体系的な一例である。
ロシア軍は今後も生産性の高いインフラを破壊し続け、占領地から得られるはずだった経済的利益を絶えず損なっていくだろう。