欧州へ天然ガス輸出拡大で合意 イスラエルとエジプトが協力
産経 6/16(木) 19:29配信

イスラエルとエジプトが協力して欧州への天然ガス輸出を増やすことで合意し、両国とEUの高官は15日、エジプトの首都カイロで覚書に署名した。
AP通信などが伝えた。

EUは天然ガスの域内需要の40%をロシアからの輸入で賄っており、ロシアのウクライナ侵攻を受けて対露依存度を下げるために供給元の多角化を
進めている。
署名式に同席したEUのフォンデアライエン欧州委員長は、イスラエルとエジプトは「信頼できる供給元」だとし、「歴史的な合意を心から歓迎する」と述べた。

合意はイスラエルが生産したガスをパイプラインでエジプト北部の液化プラントに送り、LNGに転換してタンカーで欧州に輸送する枠組み。
具体的な輸出量は明かされなかったが、EUが両国のガス田探査や増産を支援することも確認された。

イスラエルとエジプトの地中海沿岸では豊富な埋蔵量が見込まれるガス田が発見されており、両国は近年、エネルギーを含む関係強化を進めている。

フォンデアライエン氏は続いてエジプトのシーシー大統領と共同記者会見を行い、農業支援などの目的で同国に1億ユーロ(約140億円)の緊急支援を
行うと表明した。
人口1億人以上のエジプトは輸入小麦の7割以上をロシアとウクライナに依存しており、食料不足への懸念からインフレが深刻化、経済の低迷が予想される。
https://news.yahoo.co.jp/articles/27cb467e93380750b0ec57d1c4765639b3403dd5

今回のウクライナ戦争による世界的な天然ガス争奪戦が、地中海のガス田を有するエジプトとイスラエルに大いなる漁夫の利をもたらす事に。