ISW評価
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-june-18

概略
ロシア軍は6月18日にセベロドネツク近郊でわずかな前進をしたが、他の前進経路ではほとんど失速している。
ロシア軍は、セベロドネツクの戦いが遅々として進まない中、他の重要地点での攻撃作戦を再開する試みを複雑にするような損失と
兵力・装備の劣化に直面しているようだ。ISWが以前に評価したように、ロシア軍は今後数週間のうちにセベロドネツクを奪取できる可能性が高いが、
その代償として、利用可能な戦力のほとんどをこの狭い地域に集中させることになる。ウクライナ東部における
その他のロシア軍の作戦(スロビャンスクを占領し、バフムトの東に前進するための努力など)は、この2週間でほとんど進展していない。
ロシア軍はハリコフ市の北と南軸に沿って、ウクライナ軍を占領された境界線から追い出すために戦い続けているが、そのために大きな成果を上げておらず、
ウクライナの反攻とパルチザンの圧力に対して脆弱なままである。

ロシア軍はウクライナ駐留軍の士気と規律に引き続き課題を抱えている。ウクライナ情報局(Main Intelligence Directorate)は、
6月17日と18日に、ロシア兵が前線の状況、貧弱な装備、全体的な人員不足を訴える電話を傍受したと発表した。
ある兵士は、部隊からほとんど人がいなくなり、ある大隊戦術群(BTG)では10人から15人しか残っていないと主張した。

主な論点

ロシア軍はセベロドネツク近郊で小さな利益を確保し、おそらくメトルキンに進出したが、ロシアの作戦は依然低調である。
ロシア軍はバクムート-リシチャンスク高速道路 T1302 沿いのウクライナの通信回線を遮断する努力を続け、高速道路沿いで地上攻撃と砲撃を実施した。
ロシア軍は、スロビャンスクに向けたロシアの攻撃作戦に使用されているハリコフ市周辺の鉄道線から、ウクライナ軍を砲撃範囲外に追い出すことを狙っている。
ロシア軍は南軸に沿って確認された行動を取らず、ウクライナ南部の占領地域でパルチザンの圧力に直面し続けている。