まあ、日本海軍がマヌケだったというような、そんなに単純な話でも無い

海軍の暗号は、語句を5ケタの数字に置き換えるコードブック(暗号書)と、そのコードに加算して暗号を完成させる乱数の組み合わせでできている

暗号書と乱数表は、どちらも常に更新されていた
もちろん、更新したものがタイムリーに孤島まで行き渡らなかったり、暗号作成時、乱数のセレクトに手を抜いてパターンを読まれるような運用ミスもあった
しかし、ガ島で暗号書が敵に入手された後も、当然暗号書や乱数の更新は続いていた

なので米軍も常に完全な解読ができていたわけではないが、例えば山本五十六機を撃墜したり、大和の出撃を事前察知できたなど、ガ島の後も暗号解読による戦果が続いたのは、暗号そのものに内在していた脆弱さを米軍が理解して利用していた点が大きい
(例えば、暗号書で使われた5ケタコードは、3の倍数に限られたとか)

要は日本軍も一通りの暗号を採用し運用していたが、アメリカの解読技術がそれを上回ったまで
ちなみに陸軍の暗号が解読されなかったのは、海軍が乱数を使い回していたのに対し、陸軍は無限乱数を採用したという暗号そのものの強度が優っていたため