3人死傷の交通事故、米海軍大尉への実刑判決に
批判の声……

「米海軍士官、日本で刑務所に収監。米上下両院議員ら釈放支持を公約」。7月26日付の星条旗新聞(アメリカ軍の駐留地に関する記事などを配信する
米軍準機関紙)が伝えました。

 昨年5月、富士宮市で自動車事故を起こし3人を死傷させたリッジ・アルコニス大尉の控訴審で、東京高裁は禁固3年の静岡地裁判決を支持。同大尉は25日に出頭、収監されたものです。

 このニュースはリベラル・保守を問わずアメリカの主流メディアが大々的に報道し、米政界ではアルコニス大尉の釈放を支持する超党派の言動が見られます。また、同大尉の妻がバイデン大統領やエマニュエル在日米大使の介入を直訴したとされていますが、いまのところ目立った動きはありません。

 この裁判では日米の主張が大きく異なりました。
静岡地裁の検事は「アルコニス大尉が居眠り運転をしていた」として過失致死傷罪を適用。これに対し弁護側は「事故当日、家族と富士山に登った同大尉は急性の高山病に罹患し、下山後、運転中に意識を失った」とし、
「医学的緊急事態によって起きた悲劇だ」と結論したのです。

 アルコニス大尉は横須賀を母港とするミサイル駆逐艦ベンフォールドの水上戦闘士官。ベンフォールドは日本に飛来する弾道ミサイル迎撃を任務とするイージス艦です。
また同大尉は、高い道徳観念と愛国心で知られる末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の信徒でもあります。横須賀滞在は7年に及び日本語も堪能だと言いますから、日本人と日本文化を心から敬愛し日米同盟に献身すると同時に、福音を伝道してきた人物だと想像します。