202空でスピットファイアを9機撃墜したという小高登貫さんは
激戦のラバウルに転属し、編隊空戦を経験する
>1番機は合図もなしに敵機の群れに突っ込んだ。機銃が火をふいた。私も続いて撃った。
けれども、それはただ機銃の引き金を引いただけ、敵の姿はチラリと見たきりだった。
なにしろ、私たちが今までやってきた空戦とは全然違う編隊空戦なのだ。
編隊についていくだけがやっとで、とても敵を見ている余裕などなかった。
1番機が撃てば私もそれにならって引き金を引くだけである。
>着陸して飛行機から飛び降りると、私は1番機に駆け寄った。
「やったぞ、2機だ。お前もやるな」
加藤一飛曹は、そういってほめてくれた。だが、私には何を どんな風にやったのか、全然わからなかった。
前にいる敵の影さえ見えないのに、まして自分の撃った弾が、当たったかどうかなど、初陣(ラバウルでは)の私にわかりっこない。それほどに編隊空戦となるとむずかしい

小高さんはその後、343空で本田稔さんと1区隊を組んで戦う事になる
本田さんは敵戦闘機に正面反行射撃を挑む日本ではめずらしい戦い方をする人で、並のパイロットでは付いていかれない
もちろん正面反行と言っても火力と防弾に優れる相手だから
こっちは撃てても相手は撃てないとか弾がそれるとかの機動を組み立てるんだと思うが…
優速な敵機の尻を追い回すのは射撃チャンスが少な過ぎる、というのが反行射撃の理由らしいけど
武藤金義さんにこの戦法を説明しても賛同を得られなかったという

サッチウイーブも射撃チャンスが連続で来るから効率が良い