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ISSの設計は分解を前提としておらず、その機能は米国の軌道セグメントとロシアの軌道セグメントで相互依存している。したがって、ロシアは撤退するにしても、ISS全体の性能を妨げずにロシアのモジュールを物理的にきれいに切り離すことはできないとみられる。

 NASAの公式サイトの説明には「米国の軌道セグメントとロシアのセグメントを切り離そうとすると、外部と内部の多数の接続や、宇宙船の姿勢と高度の制御の必要性、ソフトウェアの相互依存性などにより、ロジスティクスと安全の面で大きな課題に直面することになるだろう」とある。

 ISSの分割におけるもう1つの障害は、米国とロシアがISSの資源で相互に依存していることだ。NASAによると、ロシアは、ISSの再起動、姿勢制御、デブリ回避操作、最終的な軌道離脱操作に使う、ISSのすべての推進力を供給し、一方米国は、必要な電力と太陽エネルギーを担っている。

 この問題を回避するには、ISSは推進力の代替案を模索する必要がある。元NASAの宇宙飛行士でISSの元船長、米空軍の大佐のTerry Virts大佐は、その代替案を米国が提供できると述べた。「米国は、既存の宇宙船の設計を基に、比較的短期間でISSの推進力を構築できると確信している」と同氏は米ZDNetに語った。