>>454

北朝鮮が1970年代後半頃に、人民にも比較的安価なカラーテレビを販売して二代目首領様の箔付けにしようと目論み、
日本からカラーテレビの生産ライン一式を朝鮮総連経由で購入しました。

既に日本を含む西側先進国では、テレビもトランジスタ化が進み、旧来の真空管式テレビはほぼ製造されなくなっていました。

その為、北朝鮮はお払い箱となった古い真空管式のTV製造ラインを安価で購入でき、平壌近郊にはその製造ラインを
巨大なTV工場の建物内に据え付け、「これから我が国もカラーテレビの時代だ」と華々しく宣伝しました。

しかしそれからしばらくすると、北朝鮮の党やメディアもこのテレビ工場の事を口にしなくなり、西側からも忘れられました。

何とこのテレビ工場の責任者らは、テレビの製造に必要不可欠な部品の事を失念していたのです。
既に真空管式テレビが製造されなくなった以上、その部品も新規製造されなくなるのは当たり前の話ですが、担当者らは
どうもその辺の事情に疎かったらしく、古いTVの部品も安く買い叩けるぐらいに思っていたのかも知れません。

しかし肝心の部品が無い事には、いくら立派な工場と大勢の組立工がいても完成品のTVは組み立てられず、工場責任者と
党幹部らはこの大失態に右往左往。

その後工場から細々とTVが出荷されましたが、そのテレビは日本から輸入した中古のカラーテレビの中身を取り出し、
北朝鮮国内で作ったテレビの外ガワに組み入れるだけの代物でした。

建前上このTVは北朝鮮国産となっていましたが、その実態はかなり多くの人民らも周知する所だったものの、敢えてそれを
口にして当局に睨まれる馬鹿はそう多くなかったというだけの話です。