侵攻のすぐあとから総動員を主張しつづけていて、総動員論の教祖みたいになってるストレルコフが
書いてきたことの何か月か分に目を通して、その考え方の根本を知ろうとしてみれば気づくと思うけど、

ストレルコフの政治観というのは、大衆がみずから立ち上がるということと、知識のある少数の人が
権威的に指導し他の人々はそれに従うという、相反する2つの原理の折衷だろう。
過去を振り返ってみると、インテリゲンチャの指導のもと、大衆が蜂起して既得権を根本的に破壊して、
新たに集権的な体制をつくるというソ連のイデオロギーからの影響が色濃いようにみえる。まあ元赤軍将校だし。

その考え方の是非はともかく、こういう政治観はウクライナ東部のような外国で民族解放闘争を焚き
つけるには都合がよかっただろうし、また革命期のロシアもそういう歴史を歩んできたのかもしれない。

ただいまのロシアにそれを持ち込んで、どういう思いがけない結果になるかという、リスク面に
十分注意を払っているのだろうかと危惧する。