ISW論評
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-september-19
9月19日、ロシアの代理人たちの間で、ルハンスク州およびドネツク州(後者の大部分はロシアの支配下にない)の即時併合の
必要性が緊急に議論された。これは、ウクライナ北部の反攻が続いているため、代理人勢力と一部のクレムリンの意思決定者が
パニックになっていることを示唆している。占領下のウクライナにあるロシアの代理人、
ドネツク人民共和国とルハンスク人民共和国(DNRとLNR)の議会はそれぞれ、DNRとLNRをロシアの国民として
承認する住民投票を「直ちに」実施するよう指導者に求めた。ロシアのプロパガンダ作家でRT編集長の
マルガリータ・シモニャンはこれを「クリミアシナリオ」と称して好意的に語っている。彼女は、占領されたウクライナの
土地をロシア領と認めることで、ロシアはウクライナの反撃に対する報復攻撃でNATOをより容易に脅かすことができ、
「あらゆる点でロシアの手を解く」ことができると書いている。

このアプローチは支離滅裂である。ロシア軍はドネツク州とルハンスク州のすべてを支配しているわけではありません。
したがって、DNRとLNRが主張する領土を併合することは、クレムリンの定義では、正当なウクライナ当局と前進する
ウクライナ軍によって部分的に「占領」されている州を、ロシアに併合させることになる。ロシアに併合されたクリミアへの
ウクライナの攻撃は、シモニャンが読者に信じ込ませているように、ロシアの不法に併合された領土へのウクライナの攻撃が、
自動的にロシアのNATOに対する報復を引き起こすわけではないことを明確に示している。この段階での部分的な併合は、
クレムリンにとって、ウクライナ軍に「ロシア」領土の占有解除を要求し、その要求を実行できないという屈辱的な立場に立たされることにもなる。
プーチン大統領が、NATOやウクライナを脅しやすくするために、このような窮地に追い込まれることをいとわず、
現段階で実施する可能性は極めて低いと思われるエスカレーションを行うかどうかは、依然不明である。