【冒頭部要旨】ISW ウクライナ戦争評価報告 2100 ET 19.09.2022
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9月15日、ドネツィク・ルハンシクの両人民共和国(DNR/LNR)の議会が、
この2つの自称国家をロシア連邦に編入するための住民投票を直ちに実施するよう、D/LNR政治指導部に求めた。
ロシアの政権寄りのジャーナリストであるマルガリータ・シモニャンは、D/LNRの併合によって、
ウクライナの反攻に対応した報復攻撃の脅威をNATOに与えやすくなると主張する。
一方で、D/LNRの併合は、以下の問題を生じさせる。

① ウクライナはロシアが自国領だと主張するクリミアを攻撃したが、ロシアはNATOに報復しなかった。
ゆえにD/LNRをロシア領にすることが、NATOへの報復を容易にするわけではない。

② DNRはドネツィク州全土を確保しておらず、この状況でロシアがDNRを自国編入すると、
ロシアの視点で見れば自国領土の一部をウクライナに占領されていることになる。
結果、ロシアはウクライナに“ロシア領”の放棄を求めることになるが、その要求を執行することはできない。
これはプーチンにとって屈辱的な状況となる。

③ 今回の編入要求にはウクライナ南部が含まれていない。D/LNRのみのロシア編入は、
戦争支持の強硬派から見ると、プーチンがロシアの戦争目的を後退させることを意味する。
なお、D/LNRの編入を急ぐ理由としては、現状、ウクライナの東部攻勢を阻止する手段がロシア軍にないなか、
編入によって追加兵力の募集を加速することができるというクレムリンの目算があるのかもしれない。
いずれにせよ、D/LNRのロシアへの編入は、プーチンにとって好ましいとは限らず、エスカレーションによる
NATOやウクライナへの脅しがもたらすものも不明瞭ななか、彼が編入を望んでいるのかどうかは現状、不明なままである。
また、プーチンが現時点で戦争状況をエスカレーションさせる可能性は極めて小さい。
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