アメリカのシンクタンクの防衛研究に引用されているロシア国防省の「核戦力の戦略的な運用」(Стратегическая операция ядерных сил (СОЯС), https://encyclopedia.mil.ru)によると、それは最高司令官(注:プーチン)の指導のもと、参謀本部(注:総長ゲラシモフ)の直接の指揮によって行なわれる。

その場合核戦力の使用は何らかの戦略的な課題の解決のために行なわれることになっているが、その課題とは、
ロシアないし同盟諸国に対して開始された(注:ウクライナによる)侵略の激化を抑制すること、ないし停止
させること、あるいは核兵器または他の大量破壊兵器をロシアに対して使ったかまたは使おうとしている
侵略者(注:ウクライナ)を破壊すること、とされている。

また図12(Figure 12)に引用されているロシア側の防衛研究の論文の図によると、左から3番目の段階で核兵器を
使用すると脅す、4番目の段階で単発または一群の戦術核を敵軍に対して使用し、場合によっては戦略核も
使って示威する、5番目の段階で単発または一群の戦術核・戦略核で軍事・経済目標を破壊する、6番目で
全面核戦争となってる。

まとめ画像
https://i.imgur.com/0SyJrBj.jpg
(ソース) Michael Kofman, Anya Fink, Dmitry Gorenburg, Mary Chesnut, Jeffrey Edmonds, and Julian Waller, "Russian Military Strategy: Core Tenets and Operational Concepts", Center for Naval Analyses, Arlington (Virginia), USA, August 2021, p. 65, p. 67
ttps://www.cna.org/reports/2021/10/russian-military-strategy-core-tenets-and-concepts