【要旨】ISW ウクライナ戦争評価報告 1900 ET 01.10.2022
https://twitter.com/GdPanzergraf/status/1576428749574131712
10月1日、ウクライナ軍はリマンを解放し、結果、ロシア軍は新たな作戦的敗北を被った。
なお、ロシア国防省は“包囲される脅威”を避けるために“より有利な位置”へと撤退したと発表した。
ロシアの軍事関連の言論人はリマン敗北を、適切に増援を送れなかったロシア軍の指揮の失敗と位置付けている。

また、このような言論環境のなかで、チェチェン指導者カディロフが低出力核兵器の使用を求めた。
しかし、これまでもタカ派軍事ブロガーが愛国心の高揚を図って同様の発言をしており、
このカディロフ発言も同種のものといえる。

また、実際的な問題を考えても、現在のロシア軍は核兵器使用環境下で作戦行動を取ることはできない。
同軍は核環境での作戦行動の準備を以前から整えてきたにも関わらず、
現在のロシア軍の状態では、核使用はロシア軍の作戦行動を阻害することになる。
カディロフはまた、リマン敗北に関して同地域を指揮していたラパン大将(CMD司令官)を批判している。
また、そのラパンを擁護しているとして、ゲラシモフ参謀総長も非難している。
ワグネルの資金提供者プリゴジンもカディロフ発言に同調しており、軍事ブロガーや
TV番組登壇者にはカディロフとプリゴジンの姿勢を称賛する者もいる。

カディロフもプリゴジンもラパンも、同じドンバス地域で指揮を取っていることを考えると、指揮官の間の亀裂や、
正規軍と非正規軍の間の溝がさらに深まることが想像される。なお、
クレムリンが軍高級指揮官の交替の機運を醸成するために、このような軍批判を煽っている可能性もある。

ハルキウ~イジュームの敗北の際も、今回のリマン敗北の際も、ロシア軍は北東部よりもウクライナ南部を重視して、
そこの増強を続けている。これは軍の判断ではなく、プーチンの判断だろう。
このことからプーチンがルハンシク防衛よりも、ヘルソン・ザポリージャの保持を優先していると推測できる。

ロシアはザポリージャ原発(ZNPP)の支配をウクライナ被占領地域併合と結びつけ、
ZNPP支配の合法化と併合正当化のための状況づくりを図っている可能性が大きい。

10月1日、ロシア軍はハルキウ州北部国境地帯のKozacha Lopanへ地上攻撃を行ったが、
撃退された。これはプーチンが依然として併合した4州以上の領土支配を求めていることを示唆し、
また、防衛よりも攻撃に軍事アセットを用いようとするプーチンの意向も示している。
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