【内容紹介】ISW ウクライナ戦争評価 2200 ET 04.10.2022
https://twitter.com/GdPanzergraf/status/1577550813274157058
10月4日付ISW報告の冒頭部は、“戦場でのロシア軍の敗北と部分的動員の混乱が招いた
プーチン支持派(戦争支持派)の分裂傾向”に焦点を当てて分析しています。

ISWでは戦争支持派を3つのグループに分けています。
① 軍事ブロガー(従軍記者含む)
② 自らの軍事力を持つシロヴィキ(具体的にはチェチェンのカディロフとワグネルのプリゴジン)
③ 退役軍人グループ(全ロシア将校協会がその中核)
この3グループはウクライナ侵略を支持しているという点でプーチンの中心的支持基盤ではあるものの、
グループ間の主張が相反しており、意見面で一枚岩ではありません。そして、
戦場でのロシア軍の敗北(ハルキウ州、リマン、ヘルソン)と部分的動員措置の不手際によって、
その意見対立が目立つようになり、かつ、プーチンがこの3者のバランスを取ることに失敗しつつあるというのがISWの見立てになります。

カディロフとプリゴジンは自身の軍を戦場に送り込み、その軍が戦いやすい状況をつくろうとし、
正規軍を批判します。最近では、リマン敗戦に関して中央軍管区司令官ラピン大将を激しく批判しているのがその例です

一方で退役軍人たちは、非正規軍(ワグネル、カディロフツィ等々)に依存するような
“特別軍事行動”ではなく、正規軍と国防省が主体となる完全な“戦争”を求めています。

軍事ブロガーは国防省が望まない詳細な戦況報告を行うなど好ましくない面はあるものの、
戦争それ自体は支持しており、また、カディロフとプリゴジンの軍司令官非難に対しては批判的です。
また、最近、政権に取り立てられている者とそうでない者との間の反目という現象もみられます。

このようにプーチン中核支持層とみなされている人々がメディア空間において、相反する意見を表明する、
互いに批判するという状況が現前しており、このことが「プーチンが自身の基盤を完全にコントロールできていないという
印象の種を植え付け始めている可能性さえある」とISWは指摘しています。

ただ、この展開がプーチン体制にどのような結果をもたらすのかを「予言することは困難だ」と結論づけています。
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