ウクライナ空軍と彼らが使用する様々な無人機に対して、事実上「飛べば落される」ルールを課すことに加えて、ロシアは、様々な能力を持つ恐るべき防空システムによって、弾道ミサイル、MLRSロケット、HARMS対放射線ミサイル、さらには砲弾を日常的に撃墜している。
また、GPS搭載兵器の信号遮断、衛星やレーダー搭載ミサイルの照準レーダーの偽装など、ウクライナ軍が配備している旧ソ連・米国の兵器に採用されているさまざまな照準技術を混乱させるための電子的対抗手段も効果的に用いられている。
これは戦場では前代未聞の快挙である。

イスラエルもアメリカも、高度なミサイルやロケット弾を日常的に撃墜する能力を証明したことはない。

さらに言えば、イランのミサイルは以前考えられていたよりもはるかに強力であることが証明されている。
アメリカのパトリオットやTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の迎撃率は、高度な弾道ミサイルに対する厳密なテストでさえ、驚くほど低くなっている。
しかし、ウクライナ軍による数回の初期攻撃の成功の後、ロシア軍はウクライナが過去6ヶ月間に発射したソ連時代のトーチカU地対空ミサイルの圧倒的大部分を撃墜しているのである。

トーチカUはそれなりに手ごわい兵器である。マッハ5.3、精度150メートル、可変弾頭。

しかし、2022年3月第3週以降、弾薬庫への1回の攻撃以外、ロシアの目標へのトーチカUの命中成功例はない。
それに比べ、米国のATACMSミサイルはTochka-Uのほぼ2倍の大きさで、射程は長いが、速度はかなり遅い(マッハ3以上)。

ATACMSがトーチカUの失敗を克服できると考える理由はほとんどない。少なくとも、ロシアの防空網でカバーされている目標に使用する場合はそうだ。

理解されなければならないのは、ウクライナ戦争以前に、ロシアが過去6カ月間日常的に行ってきたこと、つまり、防空識別圏の合理的な模造品に相当するものを地上から押し付ける能力を、地球上のどの軍隊も一貫して示してこなかったということである。