【要旨】@WarintheFuture氏が語る“撤退戦”
https://twitter.com/GdPanzergraf/status/1584180378209689602
ドニプロ川西岸地区からのロシア軍撤退の可能性が報じられるなか、
豪軍退役少将のミック・ライアン氏が軍事オペレーションとしての撤退に関して解説しています。

要旨:
撤退戦に際して必要な要素は以下。
・欺瞞行動

・適切な撤退手順の設定
→一部の部隊で戦線を保持しつつ、他の部隊を後退させる一連の行動計画を策定する。

・敵の追撃の妨害
→防空強化、ジャミング、砲撃等(ロシアは民間人を“人間の盾”として用いる可能性がある)。

実践面で重要になるのは後衛部隊で、この部隊の任務は撤退部隊の援護と敵の追撃の阻止です。
おそらくロシア軍は後衛部隊を戦車・機械化歩兵(装甲車両搭乗歩兵)部隊で構成すると思います。

この種の部隊は迅速な戦闘と移動が可能なため、非接敵状態をつくりやすく、
その部隊そのものも対岸へと撤退しやすくなります(その場合、後日の戦力になる)。

しかし、ロシア軍は動員された新兵を後衛にするかもしれません。
その場合、敵の進撃を遅らせるために戦って死ぬことによって、他の部隊が撤退するための時間を稼ぐことが、
後衛部隊に期待されます。

つまるところ、撤退戦の成功には優れた計画と協同が要求され、これを裏打ちするのが優れた指揮官です。
撤退戦の指揮官は卓越した戦術家でなければならず、失敗は全撤退軍の喪失につながることを理解する
人物でなければなりません。

戦争初期のロシア軍の撤退行動と比べ、今回はロシア軍にとって不利な点が多く存在します。
そこには、決然と攻撃を仕掛けてくるウクライナ地上軍が、ロシア軍を追いかけてくることも含まれます。

ウクライナ軍はできるだけ多くのロシア軍を西岸で補足・粉砕しようとするでしょう。
将来のロシア軍の再攻撃を不可能にするためだけでなく、かなりの戦略的影響を及ぼす成功を達成するために。

ウクライナによるドニプロ川西岸の制圧は短期的にはロシア軍のオデーサ方面への攻撃を阻止することなり、
また、今後、ウクライナ軍が攻勢を行う際の発起点の確保にもなるでしょう。
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