糖尿病・関節炎・多発性硬化症になりやすいのは黒死病の影響
https://gigazine.net/news/20221024-black-death-shaped-evolution-of-immunity-genes/

研究チームは黒死病以前に亡くなった人、黒死病で亡くなった人、黒死病を生き延びた人の遺体から
DNAサンプルを抽出。ペスト菌によって引き起こされる、ペストに関連する遺伝的適応の兆候を調べました。
その結果、4つの遺伝子が病原菌の侵入から体を守るタンパク質の産生に関与し、ペストから体を守るか、
ペストにかかりやすくなるかを分けていることがわかりました。
黒死病が流行した14世紀当時、ヨーロッパに住む人々は長らくペスト菌にさらされることがなかったため、
ペストに対する抵抗力がほとんどありませんでした。その後、幾度もパンデミックが発生する中で、
死亡率はどんどん下がっていきました。ここに関わるのが「ERAP2」と呼ばれる遺伝子で、
ERAP2を持つ人々はそうでない人々と比べ、生存率が40%から50%高かったとのこと。
しかし、ERAP2は自己免疫疾患になりやすい遺伝子でもあり、ERAP2を持つ人々が多く黒死病を生き抜いたことで、
現代の人々が自己免疫疾患になりやすいという結果につながっているというわけです。
なおERAP2が変化したわけではなく、黒死病が流行していた当時は、自己免疫疾患のリスクが
問題にならなかったためだと考えられます。