https://www.jiji.com/jc/article?k=2022111500173
第2次大戦時の「母親英雄」復活 チェチェン首長夫人らに授与―ロ大統領
2022年11月15日13時32分

ロシアのプーチン大統領は、10人以上の子供を育てた女性をたたえる
ソ連時代の称号「母親英雄」を復活させ、14日に初めて2人に授与することを決めた。
もともとは第2次大戦の独ソ戦のさなかにできた制度。ウクライナ侵攻を続けるロシアで「戦時色」が濃くなったと言えそうだ。

大統領令によれば、2人のうち1人は南部チェチェン共和国の独裁者カディロフ首長(46)のメドニ夫人(44)。
養子を含めて14人を育てているとされる。
カディロフ氏は10月、14~16歳の息子3人がウクライナで戦っていると公表し、物議を醸した。

カディロフ氏は「私兵」とするチェチェン部隊をウクライナに派兵し、強硬派として影響力が増大している。
10月に「大将」の階級を受けたと主張しており、夫人への称号授与もカディロフ氏の戦争協力に対する論功行賞という見方ができる。

母親英雄は1944年に創設。戦争で子供や夫を失った女性を支援する意味合いがあった。
ナチス・ドイツとの戦いで国民の2000万人以上が犠牲になったというソ連で、多産が奨励された側面もある。
タス通信によると、91年のソ連崩壊直前まで約430人に授与されている。