・ロシア軍指導部は、ウクライナでの戦争に勝利するためには500万人の動員を必要とするという
内容の書面を流布させている可能性があるが、そのような動員の実施はロシアにはできない。
戦争の”戦略的”失敗を糊塗して、ロシア軍の“作戦的・戦術的”失敗への非難に
置き換えることを意図しているとISWは分析している。

・ロシア軍はスヴァトヴェ北西での失地回復を意図した限定的反撃を実施した。
また、ロシア情報筋の主張によると、ウクライナ軍はクレミンナへの反攻作戦を続行した。

・ロシア軍はバフムート地区とアウジーウカ地区での攻勢を継続した。また、
影響力を持つロシア側人物が、バフムート地区での進展の無さへの非難を逸らすための、
情報・言論環境の整備を進めている可能性がある。
ワグネルのプリゴジンは、自身の部隊が中心となっているバフムート戦区に
関する報道や投稿の内容に関して、神経を尖らせている。

・ロシア軍はヘルソン州のドニプロ川南方地域の防衛構築を継続し、
また、クリミアとヘルソン州南部の結ぶ重要な地上連絡線周辺での防衛構築も続けた。

・ロシア側情報筋と同国当局者は、部分動員第二波の可能性が高いという
話の流れをつくり出そうと試み続ける一方で、総動員の可能性については否定している。

・ロシア当局者は、ロシア占領下ウクライナ領内の人口動態上の変動を促進させる企てを、
ウクライナ人住民の強制的国外移送とその移送と並行してロシア人を入植させるという手法によって、
継続して進めている。