戦車も火砲も鉄道貨物が必要だ!
自衛隊が国交省へ「直訴」に至ったウクライナ情勢と国内事情
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b10b28cb9dc634129fdd7a3e3abb701639f6dd0

今回のウクライナ戦争は日本の防衛省および自衛隊にとって衝撃の連続だったようで、
特に「兵站」つまり軍事物資の輸送で「鉄道」が大活躍する事実に関心が高いようです。

折しも2022年3月から国交省主催の「今後の鉄道物流のあり方に関する検討会」がスタート。
検討会の目的は「経営不振のJR貨物の復権」で、JR貨物の大口顧客たちに不満や意見を述べるアンケートを求めたのですが、
その1人である防衛省/自衛隊の回答内容はウクライナ戦争を前面に押し出した一見強烈な印象のものとなっており、一部をざわつかせたのです。

とりわけロシア・ウクライナ両軍の鉄道輸送利用を分析した項目が注目で、
両軍が今回の戦争で戦車・装甲車の輸送に鉄道を大々的に活用している点を指摘し、「高速・大量輸送」の優位性を強調しています。

続く「見どころ」は、具体例を画像付きで詳細に解説している点です。
ロシア軍については、極東部隊がシベリア鉄道でベラルーシに急速移動し、
ウクライナの首都・キーウの攻略作戦に投入された後に反転、
再びベラルーシに退き今度は鉄道に乗りロシア領内を迂回しつつウクライナ東部のドンバス地方に布陣し、
侵略作戦に加わったという事実を紹介しています。

中略

さらにウクライナ軍についても同様で、チェコが供与したT-72戦車や、
スロバキアが提供したS-300地対空ミサイル・システムの大型車両がそれぞれ積載された貨物列車の画像を紹介しています。

回答書はさらに続き、本筋である自衛隊の輸送任務に話題を移すと、
昨今の中国軍の脅威を念頭に、有事には北海道、本州、四国の基幹部隊(人員、装備品、補給品)を沖縄・九州の「南西地域」に素早く移動することが根幹だと訴えます。

そして実現のため船舶や航空機、トラック、鉄道、自走など多彩な輸送手段を用意し、
1つの輸送手段が寸断しても別の輸送手段がカバーする体制が重要だと強調しています。