アメリカとカナダの国境地帯に、サンフアン諸島という島々がある
アメリカ独立後100年近く、これらの島の領有権は確定しておらず、米英(当時はカナダ独立前)双方が、入植者を送り込んでいた
1859年、米側の入植者が、英側の入植者の所有する豚を射殺したことから、領有権問題が深刻化、ついに双方の軍隊が出動する騒ぎになった
両軍の指揮官は、共に「撃たれたら反撃せよ、但しこちらからは撃つな」と厳命されており、交戦に至ることはなかった
両軍は結局、外交交渉で国境線が確定する1872年まで、10年以上にらみ合いを続けることになるが、対陣が長引くにつれ交流が生まれ、
後半は互いの駐屯地を訪れて酒を飲んだり、レクリエーションを楽しむこともあったという
一連の騒動で命を落としたのは、最初に射殺された豚だけで、この事件は、豚戦争として語り伝えられている