3つの例外――11世紀、16世紀、19世紀の戦争――は、とくに熱心な学者以外の人間にはなじみがないだろう。
だがそれ以外の戦争、すなわち数が技術力に勝った戦いはよく知られている。

例として、19世紀初頭のナポレオン戦争を見てみよう。
「フランスの軍艦は設計技術や造船技術で勝っていたが、
最終的にナポレオンの(英仏)海峡横断を阻止したのは、英国海軍の圧倒的な数だった」(タングレディ氏)

刻々と迫る脅威
米国防総省の高官は、中国が米軍にとって「刻々と迫る脅威」だとみなしている。
だが艦隊の規模や数を見ると、米海軍は中国海軍のペースに追い付いていない。

米国防総省が2022年に発表した「中国軍事情勢報告書」によると、
中国人民解放軍海軍(PLAN)は20年前後に艦船数で米海軍を上回り、
現在は約340隻を保有している。

報告書によれば、この先2年間で400隻にまで増える見込みだ。

一方で米海軍の艦隊はというと、300隻未満。
昨年夏に発表された22年度米海軍運営計画によると、
国防総省は45年までに有人艦を350隻にまで増やすことを目標に掲げているが、
それでも中国にははるかに及ばない。