>>697

3.アナン事務総長による調停と了解覚書締結

(1) イラク側は、査察の対象施設について、「通常施設」、「国家安全保障施設」等一方的な分類を行い、その内「大統領関連施設」については、国家主権の観点から一切の査察は認められないとして、引き続き非協力的態度を継続し、98年1月12日には、イラク政府は査察団の活動を許可しない旨決定した。

(2) このような事態の打開に向け、アナン事務総長がイラクを訪問し、2月23日にアジーズ副首相との間で、了解覚書を締結した。この了解覚書では、イラク政府はUNSCOMに対し即時、無条件、無制限のアクセスを認める一方、UNSCOMはイラクの国家安全保障、主権、尊厳を尊重するとともに、8つの大統領施設(Presidential Sites)に対しては特別な査察手続きを取ることが合意された。3月2日に採択された安保理決議1154は、この了解覚書をエンドースするとともに、イラクによる如何なる違反も深刻な結果をもたらすことを規定した。4/