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4.イラクの査察妨害の継続

(1) 査察は98年4月に再開され、大統領施設にも査察が実施されたが、イラク側による査察団への嫌がらせや妨害が継続し、8月5日にイラク革命指導評議会は、UNSCOMの再編等のイラク側の要求が認められるまではUNSCOMへの協力を停止することを決定した。

(2) これに対し、9月9日、安保理は、イラクが査察を受け入れれば包括的レビューを行う用意があるとの決議1194を採択し、事態の打開に向けた国連とイラクの間の交渉が続けられるも進展は見られず、10月31日、イラク革命指導評議会はUNSCOMとの協力を全面的に停止することを決定した。

(3) 11月5日、安保理は決議1205を採択し、イラクの決定を安保理決議687及び関連決議の重大な違反として非難するとともに、決定の撤回と査察の再開を求めた。イラクは、14日付のアジーズ副首相書簡により、UNSCOM及びIAEAとの協力を再開し、両機関がイラクにおける通常の任務を行うことを認めることを伝え、これを受けて17日より査察団はイラクにおける査察を再開した。

(4) しかし、12月15日にバトラーUNSCOM委員長から、イラク側から完全な協力は得られなかったとの報告書が安保理に提出され、翌16日から19日まで(米国時間、日本時間:17日~20日)米英軍によるイラクへの空爆が実施された(「砂漠の狐」作戦)。5/