【要旨】ISW ウクライナ戦況評価 2025 ET 05.03.2023 “日曜短縮版”
https://twitter.com/GdPanzergraf/status/1632631182658781184
“継続中のバフムート戦と今後のロシア軍攻勢企図の見通し”
ウクライナ軍がバフムート市内で限定的な撤退を遂行中である可能性は高いが、
同市からの完全撤退に関するウクライナ側の意図を分析するには時期尚早である。
ウクライナ軍がバフムートで防衛を続けていることは、依然として戦略的に適切である。
なぜなら、ウクライナ軍は自軍に過度な死傷者を生じさせない範囲で、
ロシア軍のマンパワーと装備を消耗させ続けているからだ。

ロシア側の情報では、ウクライナ軍はフロモヴェ(Khromove)保持とT0504道路への
ロシア軍攻撃の撃退に成功しており、この状況はロシア軍にバフムートでの市街戦を
強要するものとなる。また、ウクライナ軍がバフムートから撤退する場合でも、一斉に退くのではなく、
遅滞戦闘を遂行しつつロシア軍に出血を強要する方法をとるものと思われる。
この状況は昨年のシェヴェロドネツィク・リシチャンシク撤退と似ており、昨年も
効果的にロシア軍攻勢を終わらせることができた。

ロシア軍がバフムート占領にための消耗戦を続けたことで、ロシアの軍事ブロガーは
今後のロシア軍攻勢に関して、より現実的な展望を描くようになっている可能性が高い。

ロシア軍のバフムート攻勢は、同市占領の如何を問わず、攻勢限界に達することになる
可能性が高い。また、今後数カ月間、ロシア軍はバフムート戦に続く攻勢を
維持していくことに苦慮することになる可能性も高い。

これはロシア軍がバフムートで多くの人員と装備を失い、そのうえ、ルハンシク州方面でも
“主”攻勢を行っているからである。現在ロシア軍の手元にある手付かず戦力は
第2親衛自動車化狙撃師団のみであると考えられ、それ以外の戦力でバフムート方面を増強するには、
他方面から戦力を引き抜く必要があるだろう。逆にいえば、そこにウクライナ側が反撃を行う好機が訪れるともいえる。

ロシア軍の人員・装備面での制約は、今後数カ月間、ロシア軍がバフムート戦の
ような長期間の攻勢を新たに発動することを妨げることになる可能性が高い。
ロシアは“非公然の動員”を進めている模様だが、この対応で人員不足が短期的に
解消できるとは思えず、装備生産も短期的にはロシア軍の損失を埋め合わせることはできない。
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account)