>他国をアテにするのは敗北宣言!

 不破 ソ連にとってポーランドは非常に難しい国でした。39年にヒトラーと組んでポーランド国家を消滅
させたのが、ほかならぬソ連ですから。一方、イギリスはポーランドと同盟関係にあり、そのことからドイツとの戦争に
踏み切った国です。つまり、イギリスにとって、独立ポーランドの再興はこの戦争の最大の大義というべき問題でした。
 ところが、41年6月に独ソ戦が始まった時、スターリンは、英ソ交渉の最初の段階から、東部ポーランドを
ソ連領と認めよ、という要求をイギリスに突きつけるのです。
 その年の12月、イギリスのイーデン外相がモスクワを訪問しました。ドイツ軍の猛攻からモスクワを守り
ぬいた直後の時期でしたが、英ソ会談でスターリンが最大の議題としたのは、援助問題ではなく、
戦後ヨーロッパの国境問題、なかんずくポーランドにかかわる領土問題でした。イーデン外相も驚いたのですね。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-10-20/2015102010_01_0.html