物議を醸すウクライナ人指揮官の訴え、軍は全て誇張されたものだと反論

あるウクライナ人指揮官は「満足な訓練さえ受けていない新兵が戦場に放り込まれている」明かして「動員者への訓練改善」を訴えたが、軍の報道官は「全動員者は所定の訓練を受けている。彼が言及した損失の数字は誇張されている」と反論した。
ニューヨーク・タイムズ紙の取材に独断で応じた第46独立空中強襲旅団の大隊長(以降クポル中佐と表記)は「率直な評価を口にすることで反感を買うことを理解している」と断った上で、大隊は1年間の戦いを通じて経験豊富な兵士をほぼ失い、準備時間も与えられず「補充された新兵を連れて直ぐ戦場にいけ」と上官に命じられると明かした。
元々配属されていた経験豊富な兵士はほぼ全員が死傷(約100名が死亡/約400名が負傷)、現在の大隊に戦闘経験のある兵士は数人しか残っておらず、クポル中佐は「突然100人の新兵がやって来ても準備時間は与えられず、直ぐに戦場へ連れて行けと上官は要求するんだ。この新兵を戦場に連れて行っても全てを捨てて逃げておしまいだ。なぜなら新兵は銃を撃とうとしないからで『なぜ戦わないのか?』と彼らに尋ねると『銃声が怖い』『手榴弾を投げたことがない』と答えるんだ」と言及。
つまり「ウクライナ軍の新兵訓練」に問題があり、クポル中佐は「国内の訓練センターで新兵教育に従事するウクライナ人教官が任務を果たせていない(国内の訓練センターにもNATOの教官を配置する必要があると主張)」と訴えて注目を集めたが、空中機動軍のミルゴロドスキー司令官は直ぐに降格(訓練センターの副大隊長ポスト)を命じ、これに不服のクポル中佐は「軍の指導者は真実を好まず構造的な問題を解決したがらない」と述べて軍を去ってしまう。
この問題は国内や海外からも注目を集め、ニューヨーク・タイムズ紙のウクライナ支局長も「実名によるコメントは組織からの報復に直面するだろうと我々は話し合ったが、彼はそのリスクを負う価値がある感じていた。ウクライナ軍の前向きな変化を促すため取材に応じた指揮官にとって本当に不幸な展開だ」と、ウクライナで最も有名な従軍記者のブツソフ氏も「インタビューの内容は事実であり非常に的を得た得ている。なぜなら実際の状況はもっと酷いからだ。