失敗作、P-1哨戒機の調達は中止すべきだ ②
https://japan-indepth.jp/?p=72743

【まとめ】

・ソナーのソフトウエアに関して、我が国のメーカーは欧米メーカーにかなわない。

・日本がお家芸と思われている光学電子センサーも実は問題が多い。

・国産機の調達を続けても将来性はない。防衛費を浪費するだけならば、国益上大変な損害である。


先に述べたようにP-1の対潜能力は低い。実はそもそも国内の対潜システムの開発能力が低い。素子などハードは能力の高いものが作れるが、ソフト開発の能力が低い。かつて、海自のヘリやP-3Cがリムパックに行くときは国産のソノブイではなく、米国製を使っていた。国産ソノブイでは演習で勝てないからだ。米国製の方が、性能がよく、コストも安い。

国産ソナーを搭載した海自のDDや潜水艦は、イージス艦のより古いタイプの米国製のソナーに太刀打ちできない。ソナーのソフトウエアに関して我が国のメーカーは欧米メーカーにかなわないのが厳然たる事実である。海自OBによればソナー、ソノブイのメーカーである沖電気とNECには音響学の博士号を持った社員はいないそうだ。国内マーケットが小さいから開発の人材も薄くなる。


日本がお家芸と思われている光学電子センサーも実は問題が多い。P-1の搭載している光学電子センサーシステムHAQ-2は富士通製だが価格は欧米メーカーの同等品の2倍も高いのに、探知距離などの能力は及ばず、故障も多い。これがP-1の稼働率低下の原因になっている。これではいくら維持整備費を増やしても稼働率は上がらない。