日本のDRAM敗戦について、「技術で勝って、ビジネスで負けた」という人がいるが、
それは間違っている。

日本は、韓国に、技術でもビジネスでも負けたのである。
もっと言うと、技術で負けた要因が大きい。

それは、日本が撤退する直前の64メガDRAMのマスク枚数を見てみれば、一目瞭然である。 
おおむね微細加工の回数を表しているマスク枚数を比較すると、
日立29枚、東芝28枚、NEC26枚だったのに対して、
韓国勢は20枚くらい、米マイクロンに至っては約半分の15枚でPC用DRAMをつくってしまった。

当然マスク枚数が多いほど、工程数も多くなり、高額な微細加工装置の台数も多くなる。
それ故、製造装置の原価がかさみ利益が出ない。

その結果、日本のDRAMメーカー各社は大赤字を計上し、撤退に追い込まれていったのである。
これは、明らかに、技術の敗北である。