??砲兵
2022年7月にウクライナ軍の多弾頭誘導ロケット砲システム(GMLRS)によって、
弾薬庫と指揮統制インフラが破壊されたのち、ロシア軍砲兵はその偵察・攻撃複合能力の
大幅な改善に着手し始めた。その結果、指揮官をサポートする様々なUAVとのさらなる統合ができつつある。
ロシア軍砲兵は複数発射地点からの同一目標攻撃能力、射撃後退避能力を向上させ、
ウクライナ側による対砲兵射撃の影響を低減させている。このことを可能にしたのは、
”ストレレッツ”通信・データリンクシステムのようだ。
また、ロシア砲兵は、152mm榴弾砲から120mm迫撃砲へと依存度を高めているが、
弾薬と砲身の入手し易さがその理由になっている。

反応が向上したロシア砲兵の存在は、ウクライナ軍攻勢作戦にとって、最大の問題である。
また、ロシア軍は対砲兵攻撃における自爆ドローンへの依存をますます高めている

??電子戦
ロシア軍電子戦部隊は依然として強力だ。概算だが前線において、10kmごとに少なくとも
一つの主システムが配備されている。電子戦システムの主対象はウクライナ軍UAVだ。
ウクライナ側のUAV損失は、これも概算ではあるが、月当たり1万機に及ぶ。
また、ロシア軍電子戦システムは、ウクライナ軍戦術通信連絡システム(Motorola 256)へ
のリアルタイム傍受及び暗号解読もできている模様だ。

??防空
ロシア軍防空態勢はその効果をかなり増しており、既知の静的目標周辺に配置され、
適切な連携が取れている。緊急的な脅威への対応力も、時とともに改善されている。
ロシアの拠点防空システムが優秀なレーダーと直接リンクしていることにより、
ウクライナ軍GMLRSの一部が迎撃されていると、ウクライナ軍は評価分析している。