>>597
「天皇を神と思うかどうか」って話とは全然別なわけよ。
なんというか、他に何もないって時に何が日本の中心にあって、精神的な柱になってるか、その柱たる偶像、アイドルが天皇なわけだ。
言い方を変えると、真っ暗になっても帰るべき家の玄関の灯りみたいなもん。明るけりゃ意識はしない。

戦後、人間宣言をした天皇が巡幸で全国を巡った時、炭鉱では労働争議が真っ盛り、事態の緊迫度は高まっていた。
しかし炭鉱の中まで入ってきた天皇に労働者は驚き、天皇陛下万歳を唱える。
その先頭に立っていたのは、ゴリゴリの共産党員の労働組合長だった…なんてエピソードも残っている。
まさしく「暗い中で帰るべき灯り」だな。

さらに、昭和63年に至っても昭和天皇が病床に倒れると快癒を願う貴重をする国民は後を絶たず、写真週刊誌には雨の中、皇居へ向かって傘もささず頭を垂れる女子高生の写真が掲載された。

いざとなったら、これだけ国民の注目を集める人物、一族が日本で他にいるだろうかって話よ。
例えば被災地への訪問ひとつとっても、政治家なら「何しにきやがった」と言われるが、天皇皇后両陛下が来られるというなら、少なくとも邪険にはされない。

ただ…あまりにも当たり前にいるものだから、「いなくなったらどうなるか」ってのは想像しにくいね。
何事もなけりゃ何も起きないだろうけど、何か未曾有の惨事に見舞われた異常事態なんかだと、二重の意味で。