〝プーチンの威光、弱まれり〟ロシア各地でデモ、100人超拘束 「ナワリヌイに自由を」掲げ 「ウクライナ軍の大反攻」秒読み…焦燥ぶり際立つ

プーチンの威光、弱まれり―。ロシア各地の都市で4日、ウクライナ侵攻を続ける政権に抗議するデモが発生、当局に100人以上が拘束されたという。同日にはウクライナ東部のルハンスク州で数十人単位でロシア兵が脱走したという情報も流れる。「ウ軍大反攻」が秒読みとされるなか、ロシアの焦燥ぶりが際立っている。

プーチン政権と対立して刑務所で服役中の反政府活動家ナワリヌイ氏の呼びかけに応じて4日、ロシア各地で同氏解放を求め、ウクライナ侵攻を続ける政権に抗議するデモが行われた。

ロシアの人権団体「OVDインフォ」によると、厳重な警備が敷かれた首都モスクワ中心部の赤の広場やプーシキン広場で「ナワリヌイに自由を」と書いた紙を掲げるなどした人が次々と拘束され、極東やシベリアなど各都市を含め、同団体は最低でも109人が拘束されたと指摘している。

4日に47歳の誕生日を迎えたナワリヌイ氏は声明で「社会の進歩とより良い未来のため、代償を払う人が増えれば各人の負担は減る。真実を語り、正義を守ることが危険でなくなる日が必ず来る」と賛同を訴えた。

OVDインフォによると、昨年2月の侵攻後に反戦姿勢を理由に拘束された人は2万人弱に達する。昨年9月にプーチン大統領が部分動員令を発表した直後も各地で抗議運動が起き、多数が拘束されて抑え込まれたという。

ナワリヌイ氏は2020年に国内で毒殺未遂に遭い、療養先のドイツから21年に帰国し逮捕され、過去の経済事件に関連し実刑判決を受けて収監。22年には自身の「反汚職闘争基金」の寄付金詐取などを理由に新たに懲役9年を言い渡された。独立系メディアによると「過激主義」を理由とする新たな裁判も予定されている。

ウクライナ東部のルハンスク州の戦場では4日までに、ロシア兵が数十人単位で戦場を脱走したなどとも伝えられる。露軍に入るヒビが日に日に広がり、風雲急を告げている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/655956e24d763380bc8100bec22d6540bd2fa2e4