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上位の受刑者と雄鶏の間で認められている「付き合い」は、性的サービスの売買にレイプ、そして暴力に限られる。暴力は蹴るか道具を使うかで、殴るのは触れることになるのでタブーだ。雄鶏の立場は実に悲惨で、自殺に追い込まれる者も多い。盗賊たちにわざと触れて報復を図るケースもあるが、命懸けだ。

プリゴジンは前述のテレグラムへの投稿で、国のために戦っても刑務所カーストからの解放はないことを明言している。戦闘員不足にあれほど悩まされているロシアが、凝り固まった「身分制」にこだわるのは奇異に映るかもしれない。だが裏社会の掟(刑務所の中の掟だけでなく、犯罪者たちのあるべき行動、やってはならない行動を規定する不文律)をそう簡単に捨て去るわけにはいかないのだ。

2月21日にリークされた受刑者向けスピーチの動画でも、プリゴジンが裏社会の掟を尊んでいることが見て取れる。「必要なのは犯罪者の人材だ。私自身、ロシアの英雄になる前に10年間、服役した」とプリゴジンは語るとともに、ワグネルが裏社会の掟に基づいて運営されていることを強調した。「あらゆる暗黙のルールをわれわれは尊重している」