■韓国発のトレンドに瞬時に食いつく日本のZ世代

僕は、芝浦工大の学生たちと一緒に、「Z世代」と呼ばれる10代から20代前半までの若者のトレンドを、毎月調査しています。
最近の調査結果に僕は衝撃を受けました。日本のZ世代のトレンドが韓国一色だったのです。

日本のZ世代は今、急速に「韓国化」しています。
今の“韓流ブーム”の特徴は「全網羅」と「リアルタイム」と言えます。
若者たちの間で具体的にどんなことが起きているのか、以下の4つのテーマに分けて、順に見ていきましょう。



■若者の「日本離れ」と表裏一体

今回は「なぜ日本のZ世代は『韓国化』しているのか」を、韓国発のトレンドから見ていきました。
別の見方をすれば、日本から若者トレンドが生まれなくなったと言えるでしょう。

日本は、バブル崩壊以降、経済が低迷し続けています。

2023年の今も、お金を持っているのは中高年。
よって、日本企業にとっての顧客ターゲットは中高年であって、若者ではありません。
これでは、日本発の若者トレンドは生まれようもありません。

韓国は違います。僕はつい先日、韓国に1週間、調査に行ってきました。
ソウルには、2021年にオープンした大型商業施設「ザ・現代ソウル(THE HYUNDAI SEOUL)」や、江南(カンナム)エリアなど、
「MZ世代(ミレニアル世代とZ世代を合わせた20~30代の若者)」がターゲットのおしゃれスポットがたくさんあります。

韓国も少子高齢化社会で、若い人が少ないのは日本と同じです。
しかし、韓国は、経済が上向きで、若い世代のほうが所得もエネルギーもある。
だから、企業は多少のリスクを背負ってでも、若者向けの攻めた投資ができるわけです。