①は防御一点張りで、ウクライナの攻勢衝力を吸収し、できる限り現占領地域を保持するというもの。
その間に今年後半のロシア軍攻勢の準備を進める。

②は①のバリエーションで、ウクライナ軍攻勢の脆弱点が明らかになった場合、そこへ向けて限定的な
攻撃を行うというもの。 ただし、ウクライナ側の情報能力とロシア軍のこれまでの攻勢における不手際を考えると、
ロシアにとって魅力的なプランだが、現実味に欠ける。

③はクリミアとドンバスの防衛に注力するというもの。 つまり、ヘルソンとザポリージャのほとんどを
諦めるという選択肢である。 戦線の大幅な短縮とそれに伴う機動予備の確保が可能になるが、
クリミアへの「陸の橋」が失われ、何よりも政治的にプーチンは許容しない。
しかし、ウクライナ軍攻勢の結果がロシアにとって酷いものになった場合のプランとしてはありえるかもしれない。

ライアン氏は①の「頑固に踏ん張る」計画をゲラシモフが選ぶ可能性が高いとみている。 だが、
ロシア軍が積極的に動かないことが、ウクライナの苦闘を軽減するわけではないことも指摘している。