陸自3人死傷の銃撃事件から見える装備の貧弱さ 有事になれば他国の軍隊の何倍も戦死者を出す
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国産防弾装備の性能には疑問がある。
イラク派遣に備えて防弾ベスト改良に関わっていた元隊員によれば、
改良された防弾チョッキのプレートの防弾性が低く、小銃でブスブスと抜けた。
担当者がメーカーに抗議すると「何で銃で撃つんですか!」と抗議されたという笑えない話がある。

実戦はもとより、社会においても銃撃事件が希有なわが国では防弾装備の開発は難しい。
防弾装備が本当に機能するか、検証が必要だ。

陸自は普通科の装備を蔑ろにして、見栄えのいい戦車などの調達を優先してきた。
ソ連が崩壊し、今世紀に入って、わが国が想定する侵略は大規模な敵の着上陸作戦ではなく、
ゲリラ・コマンド(特殊部隊)による破壊工作、島嶼における限定的な侵攻、さらに加えれば弾道弾による攻撃だ
つまり敵が師団規模で揚陸して国内で戦車戦を行うということ自体が想定しがたい、と「防衛大綱」でも繰り返してきた。

そうであれば陸上自衛隊は普通科(歩兵)の装備の近代化、能力充実を図るべきだった。
また隊員の生命を守り、生存性を高める努力が必要だった。

だが陸自の普通科の装備の近代化の投資は遅れ、後回しにされ続けてきた。

敵の戦車部隊が揚陸してくることはない、というのに戦車の整備に多額の投資をしてきたのだ。

陸幕は長年本来起こりうるゲリラ・コマンドや島嶼防衛に不可欠な普通科の装備の近代化を怠り、
本土での戦車戦を夢見て戦車を偏愛していたと言えよう。
まさに「へぼ将棋、王より飛車を可愛がる」である。

このような防弾装備の軽視や低い生存性のままでは有事は戦えない。
またこのような人命軽視の現実を知れば、ただでさえなり手が少ない自衛官のなり手はさらに減るだろう。
本当に差し迫った脅威は何なのか。予算の優先順位をどうするのか。
筆者には陸幕が真摯に有事を想定しているとは思えない。
このような当事者意識と能力の欠如を放置して防衛費を2倍にしても有効に使用されるとは到底思えない。