もう少し深掘りしてあげると、元テンペスト構想の中でも予算の取り合い、縄張り争いが起きている
そうした争いを調整してテンペスト構想実現する為の司令塔が英国防省の中にもいないことが察せられる

まず、アンチが主張するようにBAEは経験豊富でそんなに凄いならデモ機制作なんて不要だろ
日本メーカーですらX-2程度の実験機で機体設計にGOサインを出している
それよりは遅れると困るエンジン開発に優先権を与えるべき
実際に日本はXF9-1というプロトタイプエンジンを制作して試験した上で開発が正式スタートしている
RRは日英共同実証事業をやってからという冷遇ぶりで、その実証エンジンすら実質的スタートができてない
昨年の航空ショーではテンペストブースに日本のXF9の展示とXF9-1の試験動画を展示されるという屈辱を味わっている
本来ならRR製エンジンの模型や実験エンジンの試験動画でも展示すべきところにだ
おそらくテンペスト参加国からエンジン開発の遅れを指摘されて、XF9搭載のテンペスト案を急遽考える必要に迫られたのだろう

英国防省内に研究開発を戦略的に指揮する人が不在で、大声を出すBAEに玩具を作る機会を先に与えてしまった
しかも、英国政府が2035年に実戦化とかいってるのに、まるで間に合わないスケジュールのデモ機制作
優先すべきエンジンの研究費に予算を割かず、とうてい間に合わないのにデモ機制作なんてものに進んでしまう
英国国防省内でテンペストを実現する為の戦略が欠如していた
何を優先して開発すべきかというと、機体よりエンジンのはずが、機体のデモ機制作を選択してしまった
こんなチグハグな戦略で、海外政府に出資してテンペストを実現しようなんて最初から無理
2018年頃からエンジン研究をしっかり始めていれば、今頃はプロトタイプエンジンの1つくらいは出来ていただろう
それでも大声を出すBAEの方に予算を割いてしまったのは英国防省の戦略性が欠如していることを示唆している