「ヤバイ」ではなくすごいコメ コシヒカリ環1号の実力
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/30668
コシヒカリ環1号を知っていますか? 
コシヒカリから生まれた新品種で、カドミウムをほとんど吸収しないという性質を持っています。
このコメの血を引く「あきたこまちR」という品種も、2年後には登場しそうです。
実はこのコシヒカリ環1号、日本のコメが抱える二大問題を解決できるかもしれないすごい品種です。
ところが今、「放射線育種米」や「放射線米」などと名付けられ、SNSやYouTube、TikTokなどで
情報が流されて「ヤバイ」などと言われ始めました。放射線という言葉が誤解につながっているようです。
このままでは風評被害にもつながりかねません。
コシヒカリ環1号の開発を手掛けたのは、農業環境技術研究所(現在は、農研機構農業環境研究部門)の
石川覚さんらの研究グループでした。
石川さんらは、品種改良の手法の中から「突然変異育種」を選び08年、日本原子力研究開発機構
高崎量子応用研究所(現量子科学技術研究開発機構、QST)の施設で、コシヒカリの種子に
イオンビームを照射しました。
石川さんらは、シャーレにコシヒカリのもみ殻を除いた玄米種子を胚が上になるようにぎっしり並べ、
イオンビームを照射し、各々の玄米種子に突然変異を起こさせました。
その後、照射した約4000粒の玄米種子を栽培して、次世代となる種子を収穫。
その種子から育てた2592個体を、カドミウム濃度が高い土壌で1個体ずつ栽培し、できたコメを分析しました。
すると、3個体に実ったコメは、カドミウムをほとんど含んでいませんでした。
3個体の遺伝子を解析しました。すると3個体とも、重金属の吸収に関わる遺伝子OsNRAMP5が
変異していることがわかりました。そのために、カドミウムを吸収できなくなっていました。

このコメが流通すると日本人のカドミウムは劇的に減るな