>>297
それは違う。
フランスの戦前の作戦計画でもドイツ軍がアルデンヌを突破してくる事は想定に入っていた。
決定的にダメだったのは当時のフランス軍の軍人教育。
第一次大戦後のフランス軍は士官には「事前の計画通りに作戦を進める。想定外の遭遇戦はなるだけ避ける」ように求めていた。
これは第一次大戦時のような動きの殆ど無い塹壕戦を想定していたから。

しかしドイツの機甲部隊はその想定を遥かに上回るスピードで移動し続け、その結果フランス軍の司令部は
「ドイツ機甲部隊を迎撃する作戦計画を立てようとしているうちに、ドイツ軍は更に進撃して計画はご破算になり、更に計画を練り直そうとしている間にドイツ軍は更に進撃し……」
を繰り返してあっという間に指揮統制は崩壊。
前線部隊は司令部の出した「既に状況から遥かに遅れている命令」に従って行動したことで、ドイツ軍に各個撃破されてしまった。

これが戦後になって「アルデンヌの森を突破してくると思っていなかった」と言う事にされたのは、軍官僚達が「軍人教育の失敗」ではなく「作戦ミス」ということにしたかったから。
それが関係者がみんな鬼籍に入って、遠慮無く研究出来るようになって真相が明らかになったというわけ。