馬力の割に、と言うが実はキ44-I型と雷電21型では雷電のほうが翼面馬力は大きい。
キ44-I型  1250馬力/15.0u(83.3hp/u)
雷電21型 1800馬力/20.0u(90.0hp/u)

もっとも、全開高度では何故か逆転してしまう。
キ44-I型  1260馬力/3700m(84.0hp/u)
雷電21型 1510馬力/4150m(75.5hp/u)
翼面馬力は11.3%ほどの違いなので雷電の596km/hに対してキ44は618km/hなら同等。実際は605km/hだからキ44の空力性能はやや劣るのか?
いや、最高速度の高度はエンジンの全開高度より高い。
キ44-I型  605km/h/5200m
雷電21型 596km/h/5450m
空気密度に比例して馬力が下がると仮定すれば、
キ44-I型  1074馬力(0.0735/0.0862)(71.6hp/u)
雷電21型 1320馬力(0.0715/0.0818)(66.0hp/u)
となるので、翼面馬力は8.4%の違いとなり、キ44は612km/hなら雷電と同等。現実の605km/hはやや遅いが微々たる差だ。
キ44のほうが主翼面積に比べて胴体の正面積が大きいことを考えたら、抗力係数/プロペラ効率が1.084倍しか違わない設計は健闘してる、いやむしろ勝っていると言っても過言ではない。