おじろくおじろくばさとは?昭和まで続いた長野県での嘘のような悲しい奴隷制度
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おじろくおばさは長野県神原村(伊那郡天龍村神原)で昭和40年代まで実際にあった独自の制度です。長男、長女のように先に生まれた兄弟姉妹の奴隷となり、死ぬまで働かされていました。こうした制度は山林に囲まれた閉鎖された地域であったため、世間には発覚しないで、脈々と続いていました。
嫁ぐといっても嫁いだ先でも馬や牛のような働き手として嫁ぐのです。自分の意思で嫁ぐわけではありません。家に残っても自分の姪や甥よりも立場が下です。後から来た嫁に使いまわされるのです。戸籍の表記は「厄介」です。多くの者は、童貞であり処女のまま生涯を終えます。

厄介という扱いであるため祭りなどの集まりにも参加できませんでした。参加したくなかったのかも知れません。彼らはあまり他人と接触したがらないのです。主人は祭りの時のご馳走は食べずに持ち帰り、家族と分け合っていました。おじろくおばさも家族ですから、家族と分け合って口にすることはできました。


ここらはブラック企業勤めや衣食住を賄うのが精いっぱいな収入しか稼げない底辺会社勤めや非正規とあまり変わらない

目に精気がありません。深く刻まれたしわには苦悶の表情はあっても笑うという表情はありません。笑えるような人生ではなかったのです。腹いっぱいにならなくとも文句を言う先もありません、そんなものなのです。悲しいという感情も持たなかったと言います。

生きる意外に目標はありません。死ぬまで生きるような暮らしに、希望など見出せません。早くお迎えが来ないかと、ぼんやりした頭で考えます。想像ではありません。少し前のこの国の山間ではよくある話で、年寄りがよく呟く言葉でした。