マイケル・コフマン氏の指摘
バフムート戦は流動的だ。ロシア軍は大隊レベルで塹壕を構築しているが、
同市南方の塹壕は師団レベル、諸兵科連合軍レベルで構築されている。
ロシア軍は機動防御を遂行しようとしており、第一線の樹木帯でウクライナが戦果をあげると、
それに対して反撃する能力をもっている。また、偽の塹壕もある。

ロシアの地雷戦術にはイノベーションがみられる。例えば、地雷除去車両を破壊するために、
複数の対戦車地雷を重ねて設置するということを行っている。

基本的に樹木帯を巡る戦いになっている。樹木帯を奪取しようとウクライナ軍が近づくと、
ロシア軍装甲車両が動き出し、数kmの範囲で樹木帯全体での交戦を開始する。
ウクライナ軍は対戦車ミサイル無しではロシア軍装甲車両を射程に収められない。
また、ロシア軍装甲車両の背後には地雷が埋設されている。

今回のウクライナ軍攻勢は、旅団がその作戦を遂行しているけれども、
実際は増強中隊による逐次的な攻撃になっている。大隊は1〜2個中隊を前に置き、
3番目の中隊を後置している模様だ。攻勢開始時の攻撃を威力偵察だと多くの人
が勘違いした理由の一つがここにある。