<独自>イージス搭載艦、1隻あたり3950億円 産経新聞2023/8/12

地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備断念を受けて新造する「イージス・システム搭載艦」の
整備費が1隻あたり約3950億円に上ることが12日、分かった。敵のミサイル拠点などを攻撃する
「反撃能力(敵基地攻撃能力)」として活用する米国製巡航ミサイル「トマホーク」も搭載可能な
垂直発射装置(VLS)を備える。政府関係者が明らかにした。

政府はイージス搭載艦を2隻建造する。令和9年度に1隻、10年度に1隻を配備する計画で、6年度から
建造に着手する予定だ。VLSは計128発分の発射能力を有し、既存のイージス艦の3割程度増やす。

1隻あたりの整備費約3950億円には令和元〜4年度にかけて調達済みの米ロッキード・マーチン社製の
レーダー「SPY(スパイ)7」やVLSなどの費用も含む。SPY7はイージス・アショアでの運用を
想定していたが、転用する。

また、5年度当初予算にはエンジンや潜水艦に対処するソナー(水中音波探知機)、センサーなどの取得費用
として2208億円を計上した。6年度予算の概算要求で残りの経費を盛り込み、ミサイル防衛体制の早期強化を目指す。

安全保障環境が厳しさを増す中、政府が昨年12月に閣議決定した国家安全保障戦略など安保3文書では
ミサイル防衛の強化を柱の一つに掲げた。イージス搭載艦は極超音速滑空兵器(HGV)をはじめとする
急速な技術の進展を踏まえ、複雑・多様化する空からの脅威に対処するための基盤として整備する。

艦対空ミサイル「SM6」も搭載するほか、敵のミサイル圏外からでも攻撃できる長射程の「スタンド・オフ・ミサイル」
に関しては「12式地対艦誘導弾」の延伸型を艦上からも発射できるように改良を進める。米国が開発中の
対HGV新型迎撃ミサイルの搭載も想定している。

■イージス・システム搭載艦 ミサイル防衛を基本任務とする海上自衛隊の艦船。既存のイージス艦では迎撃が難しい
高度数千キロの弾道ミサイルにも対処する。基準排水量1万トン台前半、速力約30ノット、乗組員200人台を計画する。